グループホーム・デイサービス併設施設に無資格/未経験で転職した元介護士が向いている人・向いていない人を本音で解説【36歳体験談】

グループホーム・デイサービス併設施設で介護士が利用者と触れ合っている様子

グループホーム/デイサービスでの勤務体験談
K.Sさん
(36歳/女性)

グループホーム→デイサービス(同施設内での異動)現在36歳で、今は介護業界から離れていますが、2年前まで介護士として従事していました。その時はグループホームでの勤務です。その施設ではグループホームの他にデイもやっていましたので、グループホームの仕事を覚えた後は、デイの方の仕事にも就くようになり、5年ほど勤務していました。

未経験/無資格から介護士を目指そうと思った理由は「祖父への介護経験」

私が介護の仕事をしようと思ったきっかけですが、当時私は実家を出てその土地で生活していましたが、里帰りした際自分の祖父が認知症となっていて、祖父のために家族の生活が自分の記憶にあるものと大きく変わっていたことに衝撃を受けたということに由来します。

それから私はその時の仕事を辞めて実家へ帰ることにし、最初は別の仕事をしながら家族と協力して介護していこうとしていたのですが、人一人を介護するために必要な知識が思いの外多かったこともあり、それならいっそそれを仕事にしたほうが自分にとってもメリットがあるのではないかと考え、全くの未経験でしたが介護職の求人に応募することにしました。

当然、未経験でしたので自分に介護の仕事が務まるのかという不安は大いにありました。預かるのが人の命である以上、半端な事をしてはいけないという気持ちと、その責任に自分が耐えられるのだろうかという漠然とした不安です。

ただ、自分の場合、そこでその仕事を選んでも選ばなくても、祖父の介護自体はしなくてはいけない状態でしたので、それなら不安から逃げるよりは向かっていったほうが精神的にも健全だろうという判断から応募することにしました。

グループホーム・デイサービス併設施設に無資格/未経験で転職

私の住む地域では大きく分けて病院系列の施設か、NPO法人などの個人事業主が経営する施設の二つがほとんどでした。初めはどちらがどんなメリットがあるかなんてわからなかったのですが、病院よりはNPO法人などが経営する施設の方が、私の家の生活環境に近い雰囲気でしたので、NPO法人の運営するグループホーム・デイサービス併設施設を選択することにしました。

職場を選ぶための媒体はハローワークを通じてという形にしました。求人雑誌の広告から選んでもよかったのですが、アポを取る手間が省けるのでハローワーク経由の方が確実だと思います。

ただ、今では転職エージェントも使いやすくなっていると聞きますので、転職エージェントを使った方が手間なく転職できるかもしれません。

グループホームの仕事内容と、仕事に向いている人・向いていない人

まず配属されたグループホームですが、基本的にはご利用者様に穏やかに日々を過ごしてもらいつつ、身体・脳機能の維持を目的としている為、お年寄りと話すことが苦ではないというよりは、話すのが好きだという方は向いていると思います。

ただし、ご利用者様にとっては生活の場ですので、当然不仲な方もいらっしゃいます。そういった方達の感情に巻き込まれずにうまく場を良い状態に保てるような客観的視点と洞察力は必要になってくるとは思いますので、所謂「空気を読む」という力は必要です。

デイサービスの仕事内容と、デイの仕事に向いている人・向いていない人

次にデイサービスの方ですが、こちらは送迎がありますので、グループホームに比べて慌ただしい1日になります。その為、その日のご利用者様の把握と受け入れの準備などをしなくてはいけませんので、ある程度テキパキと動ける人が重宝されます。とはいえ、相手にしているのはご高齢の方々ですので、慌ただしい空間は好まれることはありません。

ですので、テキパキではなくせっかちですと難しいかもしれません。個人的に思うのは、介護の現場は施設側が提供するものが全てではなく、職員とご利用者様とそのご家族の、各々の協力によって成り立っているものだと考えています。

忙しさに追われてしまうと独りよがりな考えに陥りがちですので、3者の関係を常に意識できた方がいいと思います。

介護職は離職率の高い職場だけど、介護経験者はやりがいを感じて続ける人の方が多い

介護職は離職率の高い職業ですが、ある程度経験を積んだ方に限ると、再就職先に選ぶことの方が多いと言われています。
それには他の仕事にはないやりがいがあるからだと思います。

ご利用者様の中には、こちらを気遣う方ばかりではなく常に厳しい態度を取られる方も多いです。しかし、そういった方達とのやり取りの中にこそこの仕事のやりがいがあるのではないかと考えます。

どんな理不尽を言う方にも、それを言うだけの理由がご本人の中にはちゃんと存在しています。その上で自分とは違う考えに触れ、施設の目指す方向にそうことができるよう、他の職員と意見を交わし、時にはご利用者様にも協力して頂き、より良い環境を作っていくために努力するという職業は他ではあまりありません。

きちんと向き合うにはそれなりに覚悟が必要ではありますが、他では得難い経験ができるという点において、介護士という仕事は非常にやりがいのある仕事だと本心から思います。

未経験から介護職への転職に迷いがあるなら、まずは1日見学して応募するのがおすすめ

私自身、未経験からの飛び込みという形で入ってきた介護職ですが、はっきりと言えるのは、向き不向きが確実にある仕事だということです。そして、それを判断するには現場に出て、実際に体験するまではわからないと思います。

私もそこに就職するにあたって、3日ほどボランティアという形で過ごさせてもらいましたが、ボランティアとして責任のない状態でそこにいるのと、職員としてそこにいるのでは全く違います。

ですので、見学として体験するなら1日でその施設の環境を見て、ある程度しっかりしていそうだと思ったなら、迷わず応募した方が良いと思います。事前に勉強するのも大事だとは思いますが、実務と座学では隔たりがありますので、余計に迷いが生まれるだけです。

介護職の面接で聞くべきこととは?

もし、未経験から介護の仕事をしようと考えているなら、まずは応募して実際に働いてみるのが一番いい道だと思います。
今は教育制度もしっかりしているところが多いので、もし不安なようであれば面接の際に、職場の教育環境がどういったものになっているのかを聞いておくようにすれば、少なくとも教わっていないことで理不尽に攻められるということはなくなるはずです。

新しい環境に向かっていくのは非常に不安が大きいとは思いますが、その不安がどこからくるのかをまず明確にして、面接でぶつけてみてください。余程のことでなければちゃんと答えてくれるはずです。

あと、介護の世界である程度のキャリアアップを目指しているのであれば、自分の不安に感じている点と、何故介護という仕事につこうと考えたのかを明確にしているといいと思います。

グループホーム・デイサービス併設施設で介護士が利用者と触れ合っている様子
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