介護未経験/無資格で特養の仕事は実際どう?仕事内容や職場の雰囲気、向いている人・向いていない人とは?【32歳体験談】

特別養護老人ホームのイメージ

介護未経験で特養に挑戦した感想
M.Mさん
(32歳/女性)

接客業→特養→サ高住現在32歳で介護士の経験としては、特養で3ヶ月、サービス付き高齢者向け住宅で2年半、計2年9か月ほどの経験があります。

介護未経験/無資格で特養の仕事は実際どう?接客業から介護職に転職したきっかけとは?

以前は接客業をしていました。異業種ではありますが、旧ホームヘルパー2級の資格を取得して8年前に介護業界に入りました。

私が介護士になろうと思ったきっかけは求人が多く、需要があったからです。お客様と直接触れ合うことができる接客業もやりがいはあったのですが、介護の仕事にも興味があったので求人を調べて、接客の仕事から介護の仕事へ転職することに決めました。

介護職に就く前に不安だったことは、共に働く介護スタッフと連携して働けるかどうかという点が大きかったです。また、未経験・無資格の私が重労働だと言われている、介護の仕事が勤まるかどうかも不安がありました。

もし怪我をさせてしまったらどうしよう、保険に入っておいたほうがいいのだろうか、とも考えました。自分自身の介護技術の無さについても悩みました。ですがこのまま悩んでいても解決することはないので、未経験でも雇ってくれる介護の仕事に応募しました。

特養の求人は無資格・未経験でも受けれてくれる施設がほとんど

基本的には、自宅の近くからでも通いやすい介護施設はないか探していました。主にハローワークや、アルバイトやパートの求人誌を見て未経験でも対応してくれる求人を探しました。

最終的には、自宅から15分ほどの距離にある特養施設を選びました。特養施設を選んだ基準としては、自宅からの距離が通える範囲だったということも選んだ要因のひとつでしたが、無資格、未経験の人でも受け入れてくれたからです。1から介護技術を学ぶ場所としては最適な職場だったので特養で介護士として働くことを決めました。

特養の特徴的な点としては、重度の介護を必要とする利用者様が多くを占めているので、ベッドから車いすに移動させるときは必然的に力仕事になります。

特養の仕事内容、職場の雰囲気、夜勤、シフトの融通は実際どう?

仕事の内容は、身体介助、入浴介助、排泄介助、食事介助、清掃、定時の見回りなどさまざまです。スタッフ数は最低限なので、共に働く介護スタッフと利用者様の動きを観察していないといけません。

特に認知症の利用者様は注意が必要で、事故が発生すれば全て自分の責任になるシビアな仕事です。職場の雰囲気については、私が働いていた職場はけっこう厳しいところでしたので、少し緊張感が漂っていました。

夜勤についてですが、希望しなければシフトには組まれません。正社員は1日8時間労働の契約ですが、パートなら1日8時間から6時間に変更してもらうなどの融通は利きます。

特養の仕事に向いている人・向いていない人

特養の仕事は効率性が求められ、とても忙しく動き回らなければなりません。私の場合、与えられた1日の仕事をこなすので精一杯でした。少人数でゆっくり利用者様と接する時間が欲しいという方であれば、特養は向きません。デイサービスやグループホームなどの小規模施設のほうが働きやすいです。

逆に力仕事ができて、忙しくても効率的に動ける方であれば特養施設のほうが給料もよいのでおすすめです。

特養で働いてみて実際に大変だったこと

実際、特養で働いてみて大変だと感じたことは、介護現場で使用する専門用語などの知識、基礎的な医療用語の理解、認知症利用者様の対応です。

特に介護度の高い利用者様の移乗は、認知症の利用者様と違って拒否したり、急に暴れる心配がないので慣れればなんとか移乗できました。最初に、80キロ以上体重がある重度の利用者様をベットから専用の車いすへ移乗をしたとき、こんな重労働をずっと続けるのはしんどいと何度も思いました。

あとは、1日に何十人もの利用者様を担当しなければならないので、入浴介助やオムツ交換なども体力勝負になります。働く前に基礎的な体力をつけておかないとすぐにスタミナが減っていき、働いている最中に倒れてしまいます。

私の場合、あまり体力がなく実際に倒れそうになったこともありました。仕事が終わってしばらくすると、足腰が筋肉痛になることもありました。

特養からサ高住に転職、介護職のやりがいとは?

サービス付き高齢者住宅(サ高住)イメージ
私の場合、結果的に特養施設からサ高住(サービス付き高齢者住宅)に転職しました。私の勤めていた特養では、体力的にきつく、もう少し利用者様とゆっくり触れ合う時間があった方が良いと考え、流れ作業的な介護が多い特養から、サ高住へ転職することを決めました。

介護職に携わっていると、人相手ですので、もちろんきついことも多いです。それでも介護の仕事を続けられた理由は利用者様からの感謝の言葉があったからです。

とある利用者様のことなのですが、私達介護スタッフがその利用者様にお風呂の入浴を促すと首を横に数回ふって、入浴拒否をします。

その男性の利用者様はとても無口で頑固、月に2回施設に来るご家族の方々に「最低1週間に1回は入浴させて下さい」と頼まれているのですが、本人が頑なに入浴拒否するのでこちらも手を焼いていました。

仕方なく、おけにお湯を入れてよく絞った温かいタオルで利用者様の体をきれいに拭く、これしか対応策がありませんでした。ですが、珍しく入浴してもいいと言ってくれた日があったのです。
入浴介助

その利用者様は普段と変わらず、お礼の言葉もなく黙って湯船に入浴していましたが、私から見ると感謝の意を述べているような感じがしました。毎日、時間に追われながら懸命に仕事をこなす介護スタッフとして「いつもありがとう。助かるよ」などの声がけをいただけると本当に嬉しく思います。

介護が未経験で無資格でも迷っているのであれば、まず施設を見学してみることが大切

私自身、20代で未経験から介護業界に入りましたが、最初は仕事に慣れず、覚えなければならないことがたくさんあったので挫折しそうになりました。ただ、今となっては自分で言うのもあれですが、最初、できなかった仕事も数をこなすことである程度できるようになったかなと思います。

未経験・無資格でも体力とやる気があれば、誰でもキャリアアップできます。介護の仕事自体、利用者様から感謝され、営業職のようなノルマのない仕事なので、もしあなた自身が介護職に就こうか迷われているのであれば、試しに近くの気になる介護施設を見学してみてはどうでしょうか?

実際の介護現場をよく見たうえで考えてみるといいです。きっと、あなた自身の将来の仕事への視野を広げることができると思います。

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