保育士から放課後等デイサービスに転職、実際働いてみた感想や必要資格、給与、人間関係について【35歳体験談】

放課後等デイサービスで保育士が働いている様子

新卒で介護職への挑戦!
N.Sさん
(35歳/女性)

保育士→放課後等デイサービス(障害者就労支援施設併設型)現在35歳で、障害児の療育を行う放課後等デイサービスと18歳以上の障害者の就労を支援する就労支援施設で勤務して5年目です。もともと、保育士として学童保育の指導員をしていました。

保育士から放課後等デイサービスに転職、実際働いてみた感想。必要資格は?

私はもともと、保育士として学童保育の指導員をしていました。学童保育で、障害児の預かりを担当したことをきっかけに障害者福祉に興味を持ち、介護福祉士実務者研修を受講して、介護の世界に飛び込みました。

放課後等デイサービスには保育士を設置する義務があるので、保育士資格があれば、介護の資格無しでも勤務は可能です。更に言うと、保育士資格保有者が放課後等デイサービスで3年勤務すると、介護福祉士の受験資格がもらえるので、特に実務者研修のような資格は不要です。

ただ私の場合、介護の知識やスキルを事前に身につけたいという思いがあったのと介護療育の求人の選択肢を増やすという意味でも、介護福祉士実務者研修を受講することを決めました。

保育士から放課後等デイサービスに転職するきっかけとは?周りからの大反対もあった

放課後等デイサービスでの介護の仕事を選んだきっかけは、保育士として障害児と接する中でも、車いすへの移乗や着替えの手伝い、排せつ介助など専門的な知識や技術がないために、利用者さんを不快な気持ちにさせてしまうことが多いと感じたからです。介護のスキルを高めて、障害があっても笑顔で楽しく暮らせる社会に貢献したいと考えるようになりました。

また、介護業界は高齢者介護が中心で、障害者介護や児童の介護はまだまだ未開拓な分野と感じました。自分がその分野をすることで、他の介護職と差別化を図りたいという気持ちもありました。

介護の資格を取得して、介護の世界に入るというと、周囲の人、特に家族からは大反対されました。介護職は給与の割に肉体的にも精神的にも疲労が大きい職種であることが大きな理由です。

保育士よりも給与は低くなるけど、放課後等デイサービスで介護経験を積めば保育士以上のキャリアアップに

私自身、保育士として勤務していたころより、給与が低くなることには不安を感じていました。私は、結婚しており、小学生と中学生の子供がいます。子供達には今後どんどんお金がかかりますので、給与の減少は大きな痛手です。また、正社員での勤務を希望していたため、疲れて帰ってきて本当に家庭との両立ができるのかも不安材料の一つでした。

ですが、すでに障害者分野の介護事業所で勤務している知人に相談したところ、介護職はキャリアアップの仕組みが明確だから、経験を重ねれれば、着実に出征できて、給与も最初は20万前後だけど、後々はそれなりにあがっていくと教えてもらえました。

キャリアアップに必要な研修などの費用も事業所が負担してくれることが多く、仕事をしながらでもたくさんの資格取得ができると聞き、将来への不安はかなり軽くなりました。

近所に住む夫の両親も子育てに協力してくれると申し出てくれたこと、中学生の長男が、小学生の妹の面倒を見ることを約束してくれたことなども後押しとなり、結果的にはチャレンジしてみることにしました。

「保育士資格 児童分野 障害者介護」で求人を探すと「放課後等デイサービス」がヒット

私の場合、初めから保育士資格を生かせる児童分野で障害者介護ができることを基準に仕事探しを行いました。放課後等デイサービスは、6歳から18歳までの児童が放課後の時間を使って、療育を受けたり、居場所づくりをしたりするための施設です。

人材不足に常に悩む業界のようで保育士と介護福祉士実務者研修のある私にとっては選びたい放題の業界でした。学童保育の指導員をしながらの転職活動だったので、職場探しは人材仲介会社を利用しました。

担当エージェントさんが丁寧にヒアリングをしてくれ、児童と関わりたい、介護の資格も生かしたいという私の希望にあった施設を何か所か紹介してくれました。

私は、できれば介護福祉士まで取得したいと考えていたので、介護業務の多い事業所を優先的に紹介してもらいました。いくつかの施設で面接を行い、最終的に決めた施設の決め手は、介護業務が多い点とスタッフの資格取得に積極的だった面です。私も経験年数(3年)に達したらすぐに介護福祉士の受験講座を受講させてもらえる予定です。

放課後等デイサービスの仕事内容と実際働いてみて難しいと感じる点

放課後等デイサービスで実際働いてみて難しいと感じる所は、放課後等デイサービスでの介護の幅がかなり広いところだと思います。例えば、知的障害だけの利用者さんの場合は、身体的な介護はほとんど必要ないため、介護のスキルアップが望めません。

知的障害がなくても肢体不自由な利用者さんの場合は、車いすの移乗や排せつ介助などの介護業務があります。また、重症心身障害児と呼ばれる、肢体不自由と知的障害を併せ持っている子供に対しては、食事介助など生活に密着した介護を提供することができます。

放課後等デイサービスでのやりがいは?職場の雰囲気は実際どう?

実際に働き始めると、前職の学童保育での仕事がとても生かされます。コミュニケーションが取れる子供もいれば、取れない子供もいますが、根気よくつきあっていくことで、心を開いてくれる瞬間があり、その時はとてもやりがいを感じます。

放課後等デイサービスの職場の雰囲気についてですが、児童福祉を志す人が多いためか、基本的には優しい人ばかりです。

管理者は、厳しいですが、子供の命を預かっている以上当然のことだと感じます。少人数の施設のため、コミュニケーションがうまくとれないと、すぐに利用者さんにしわ寄せがいってしまいます。そのため、上司が積極的にコミュニケーションをとっており、とても居心地がいい職場です。

放課後等デイサービスに向いている人・向いていない人

利用者さんには、自分から働きかけないといけないため、消極的な人よりも積極的な人に向いていると思います。また、赤ちゃんを育てている感覚にちかいこともあるため、子育て経験があることは大きな戦力になると感じています。

胃ろうやタン吸引など医療的ケアが必要な利用者さんへの介護は、やはりとても気をつかい、大変です。てんかん発作の持病がある利用者さんも目が離せないため、気が抜けない点は大変です。ですが、毎日はっきりと成長していく姿がわかるため、モチベーションを保つことができています。

児童分野、障害分野での介護は、まだまだこれからの業界です。高齢者介護がメインの業界で、児童や障害の経験があることは将来性も高いと思っています。毎日一生懸命生きている人たちと一緒に生活することは、大変さを吹き飛ばすくらい楽しいことです。ぜひ、この分野で介護の仕事に挑戦してみてほしいと思います。

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